根管治療のメリットとデメリットの紹介
2018年09月24日
■ はじめに
虫歯が神経まで達してしまった場合、歯の神経を取り除いて根の中をきれいにする根管治療が必要になります。
この根管治療にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
■ 根管治療とは
根管とは、歯の根っこの中の神経や血管が通っている管のことで、痛みなどを感じる働きを持っているほか、歯に栄養を与える役割を持っています。
この根管が何らかの影響で炎症や感染を起こした場合、根管内の治療を行う必要があります。これが根管治療であり、歯を残すために大変必要な治療法です。
根管が炎症や感染を起こす原因は神経まで達した深い虫歯、歯の亀裂、アクシデントによる外傷などです。その中でも特に多いのが、深い虫歯です。
虫歯は進行度合いによって治療法が異なります。歯の表面のエナメル質が溶けた状態や象牙質まで進行した虫歯の場合、痛みはそれほど感じません。
しかし虫歯が歯の神経である歯髄まで進行すると、何もしていなくてもズキズキと激しい痛みに襲われます。
虫歯が歯髄まで進行した場合、虫歯菌によって歯の神経が死んでしまうため、細菌で汚染された神経を取り除き、根の中を洗浄してきれいにする根管治療が必要になります。
根管治療には汚染されてしまった歯の神経を取り除き、根管を消毒する「抜髄」と、以前に根管治療を行った部位が再び細菌感染した場合に行われる「感染根管処置」があります。
いずれにしても、細菌によって汚染された根の中をきれいに消毒して処置を行わないと、根の周囲の組織が炎症を起こしたり、歯ぐきの腫れなどを引き起こします。
症状が進むと顔が腫れたりリンパ節が腫れて発熱するなど、さらに重篤な症状を引き起こす場合があります。
■ 根管治療のメリット
根管の中で起きた炎症を抑えるための根管治療は、いったいどのようなメリットがあるのでしょうか。まず根管治療のメリットを挙げてみます。
・抜歯をせずに済む
・痛みなどを感じなくなる
根管治療を行うことで得る最も大きなメリットは、ご自身の歯を残すことです。
根管治療後は型取りを行い、セラミッククラウンなどの被せ物を装着して噛む機能を修復するため、ご自身の歯を残すことができます。
歯は抜いてしまうと一生元には戻りません。歯を抜くことは簡単ですが、それによって失うものはとても大きいのです。
どんなに精度の高い入れ歯やインプラントでも、ご自身の歯に敵うものはありません。大切な歯を失わないためにも根管治療はとても大切な治療です。
また、根管治療を行うことで激しい痛みから解放されます。
炎症が神経まで達したときの痛みは言葉では言い表せないほど不快な症状で、脈を打つような痛みであったり、熱いものを口に入れた時、飛び上がるような痛みを覚えるなど、神経に炎症を起こしているとこのような痛みに襲われるため、一刻も早くこの痛みから逃れたいと思われるでしょう。
実際に、このような痛みに襲われてやっと歯科医院を受診する方も多くいらっしゃいます。
神経を取り除く抜髄の処置を受けると、痛みはうそのように治まります。
虫歯だけでなく、歯をぶつけて折ってしまった場合にも根管治療は行われます。
折れた歯の部分から神経が出ている状態が確認できた場合、細菌感染の恐れが出てきます。根管から細菌が侵入すると歯ぐきの腫れなどを引き起こします。
根管に侵入し、炎症を起こす細菌は虫歯菌だけではありません。
色々な細菌が感染源となり、根管に炎症を引き起こしてしまいます。ご自身の大切な歯を守るためにも根管治療はとても重要な意味を持つ治療法なのです。
■ 根管治療のデメリット
では根管治療にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。「歯を残すというだけで大きなメリットだけあるのではないか」と思われるかもしれません。
しかし根管治療にもデメリットはあるのです。
・歯が脆くなる
・痛みなどを感じなくなるため、異常を自覚できない
・治療回数が増え、治療費が増える
根管治療の最大のデメリットは、歯が脆くなることです。歯髄は神経だけでなく、血管も通っており、歯に栄養を与える重要な役目を持っています。
しかし細菌感染により歯髄が炎症を起こした場合、汚染した神経を取り除く必要があります。
つまり歯の神経を取り除くことは、歯に栄養分を届けることができなくなってしまいます。わかりやすく言うと、枯れ木のようなものです。
歯の栄養は歯からだけではありませんが、歯髄を失うことで受ける影響は大きく、歯の寿命にも影響してしまいます。
栄養分が不足している歯は脆くなり、硬いものを噛んだ時などに歯が割れてしまう恐れがあります。歯が割れてしまうとその分歯の寿命が短くなってしまいます。
また歯の神経を取ってしまうと痛みから解放される分、知覚を失ってしまいます。
痛みを感じることはすなわち異常を感じ取ることですが、歯の神経を失ってしまうと歯の内部で虫歯などになっていても痛みを感じないため、自覚症状を感じることがほとんどありません。
気が付くと被せ物の中で虫歯が広がり、大掛かりな治療が必要になってしまう恐れがあります。
そして根管治療は、根の中がすっかりきれいになるまで何度か通院しなければいけません。そのため治療費がかかってしまいます。
根の治療は途中で中断すると、まだ残っている細菌が再び増殖していつまでたっても根管治療が終了しません。
歯を残すためにも最終的な薬を詰めるまでは勝手に通院をストップせず、きちんと根管治療を受けなければいけませんが、その分時間も費用も必要になります。
ただ、これらのデメリットを上回るメリットがあると当院は考えております。
治療回数や治療費が多少増えたとしても、ご自身の歯を残すことができ、長期的な健康を考えた時には優れたものと考えられます。
また、痛みなどを感じなくなるため、異常を自覚できない点は、根管治療終了後の定期メンテナンス(定期的にご来院いただき、歯のクリーニングを行うこと)によって、早期発見、早期診断、早期治療が可能となるため、実のところ簡単に克服できる点でもあります。
歯が脆くなるというのも、定期メンテナンスを含めご自身の歯を大事に扱うことで、幾分カバーできるでしょう。
これらの考えのもと、根管治療には情熱をもって取り組んでおります。
■ 心斎橋デンタルクリニックのこだわりの根管治療
根管治療は保険診療で受けることができる治療で、大阪はもちろん、全国の歯科医院で日常的に行われる治療です。
しかし根管治療はとても高度な技術を必要とする難しい治療で、根管治療は歯の寿命のカギを握っていると言ってもよいでしょう。
根管治療は保険診療と自由診療がありますが。その違いはなんといっても設備でしょう。
根管治療を専門としている歯科医院の特徴として、ラバーダムやマイクロスコープなどが揃えられていることが挙げられます。
ラバーダムとは患者様のお口周りにかけるゴム製のシートで、治療中に唾液や細菌の侵入を防ぐ大切な役目を持っています。ラバーダムは使い捨てですが、どこの歯科医院でも導入しているわけではありません。
またマイクロスコープは歯科治療で使用する拡大顕微鏡で、緻密な治療を行う際に使われます。根管内は暗く狭いうえ、患者様によって根の形状も異なるため、多くの先生は経験と勘によって根管治療を行っています。根管内の細菌が少しでも残っていると、腫れや痛みがいつまでも引かず、根管治療が長引いてしまうことがあります。
細菌の取り残しがないためにもマイクロスコープは狭い根管内を治療するためには欠かせません。
しかし保険診療で根管治療を行っている歯科医院でラバーダムやマイクロスコープを導入しているところはそれほど多くなく、経験と勘で行われているところが大多数です。
患者様の大切な歯を残すためには、ラバーダムやマイクロスコープを使用した治療が望ましく、なおかつ根管治療の専門医が治療を行うことが最も良い結果を出すことが可能です。
どこでも行われる根管治療なのに、自由診療では費用が高ついてしまうのでは?とお思いになるかもしれませんが、根管治療を行う上で最大の敵は細菌です。細菌の侵入を防ぐために万全の体制を敷き、根管治療の専門医が行う精度の高い治療は患者様の大切な歯を残すために必要と考えられます。
抜歯することは簡単です。
また抜歯した部分をインプラントや入れ歯で補うことで噛む機能は回復します。
しかし簡単に抜歯せず、専門医が行う丁寧で高度な根管治療を行うことで、歯を残すことができるならそれに越したことはありません。
自由診療は、治療費がかさんでしまうとお思いになるかもしれません。
しかし保険診療では受けることのできない歯科材料を使い、より高度な治療を受けることができることをご理解いただければと思います。
大阪では数多くの歯科医院が根管治療を行っています。
その中にでも心斎橋デンタルクリニックでは、患者様の歯を残すことができるかを第一に考えたこだわりの根管治療を行っております。
他の歯医者で抜歯しかないと言われた方や根管治療の専門医が在籍する歯科医院をお探しの方、大阪でこだわりの根管治療を行い、全ての患者様の歯を守ることをモットーとしている心斎橋デンタルクリニックに一度ご相談ください。
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