根管治療の流れと治療期間
2018年10月04日
■ はじめに
神経まで達したひどい虫歯の場合、すぐに抜歯を行わずに根管治療を行って歯を保存する根管治療を試みます。
根管治療は一度で終了せず、数回通って治療を受けていただく必要があります。
では根管治療はどのくらいの期間を要するのか、不安な方もおられることかと思います。
このページでは、根管治療の流れと併せて、期間をご紹介いたします。
結論から申し上げますと、患者様の歯の状態にもよりますが、2~4回の通院が必要です。
途中で治療を中断すると、余計に費用や時間がかかってしまい、歯の状態も悪くしてしまいかねません。
根管治療開始前に期間も含め、治療の流れをしっかりとお伝えいたしますので、ご不明な点、不安な点はここでお尋ねください。
■ まずは、患者様ごとの治療方法を確認
根管治療は、歯の神経が細菌感染した際に起きる痛みや炎症を取り除き、歯を保存するための治療法です。
根管治療を必要とする主な原因は虫歯ですが、それ以外にも歯の破折や「根尖性歯周炎」と呼ばれる歯茎の腫れなどがあります。
ここであまり聞き慣れない「根尖性歯周炎」について少しご説明をしたいと思います。
根尖性歯周炎とは、歯の神経が死んでしまうことで抵抗力を失った根管内部が細菌感染し、歯の根っこ部分である根尖から出される毒素により引き起こされる歯茎の炎症です。
歯茎の炎症と聞くとまず思い浮かべるのが「歯周病」でしょう。
しかし根尖性歯周炎は歯周病菌が引き起こす歯周炎と異なり、歯髄の中から侵入した虫歯菌が原因で起こります。
根尖性歯周炎の症状は噛むと痛みを感じる、歯茎が腫れる、歯茎にフィステルと呼ばれるできものができる、顔が腫れるといった症状が起こります。
根尖性歯周炎の原因は深い虫歯の他に、以前の根管治療の失敗が考えられます。またアクシデントによる歯の外傷も、むき出しになった歯の神経から細菌が入り込んで根尖性歯周炎を引き起こします。
根尖性歯周炎は根管内の細菌感染が原因のため、根管治療を行うことで改善を試みます。
このように、根管治療を必要とするケースは虫歯以外にも様々です。
まずは患者様の歯のトラブルの原因を突き止め、状態を正確に診断し、適切な治療方法を確認することから始まります。
■ 根管治療の治療期間と来院回数
根管治療は根管内部に存在する細菌を完全に取り除くことが大切です。
細菌に汚染された根管内部は一度で取り除くことは不可能で、治療部位や状態により異なりますが、平均通院回数は2~4回程度です。
根管治療は保険診療と自由診療がありますが、保険診療の場合、一回の治療時間は30分程度が多く、その分通院回数が多くなる傾向があります。
一方、根管治療を専門としている歯科医院では自由診療のため患者様ひとりに対する治療時間は60~90分と比較的長いことが特徴です。
治療回数の目安は保険治療よりも少ないことが多く、前歯、小臼歯で1~2回、大臼歯で2~3回です。
何症例に関しては4回程度の通院が必要となる場合もあります。
感染の症状が強く、根管内に細菌の存在が認められる場合は完全に根管内がきれいになるまで治療を行うため、平均よりも回数が多くなり、治療期間も長くなる場合があります。
具体的には、今まで何度もその歯の治療を受けており、その期間が一年にまたがるなど、長期に及んでいる場合です。
治療期間は、患者様の状態や来院のご都合により異なりますが、1~2週間の間隔をあけて来院していただき、最終的な薬を詰めるための期間として、およそ1か月程度必要とお考え下さい。
その後土台を立てて被せ物の型取りを行い、セラミッククラウンなどの被せ物を装着します。
■ 根管治療の流れ
では次に根管治療の流れをご紹介します。保険診療、自由診療ともに治療の流れはほとんど変わりません。まず保険診療で行われる根管治療の流れをご紹介します。
- カウンセリングと検査
まずは患者様からどの歯がどのように痛むのかなど、歯科医がお口の中の状態をじっくりとお聞きします。その後歯科医によるお口の中の視診、レントゲン撮影と続き、痛みの原因を確認します。
- 抜髄、感染根管治療
神経のある歯が細菌感染して炎症を起こしている場合、麻酔の注射を打って汚染された神経を取り除く「抜髄」という処置を行います。抜髄後は日にちをあけて根管内部をきれいに洗浄し、薬を交換して仮のフタをします。
以前根管治療を行った歯の被せ物の下で細菌感染が起きている場合は、古い被せ物を外して根管治療を行う感染根管治療を行います。
- 根管充填
根の中が完全にきれいになったことが確認できたら最終的に薬を詰め、根管の先端までぴっちりとフタをする根管充填を行い、根管治療は終了します。
自由診療の場合、より高度で精密な根管治療を受けることができます。
根管治療を専門としている歯科医院ではCTやマイクロスコープ、ラバーダムを使うことで、患者様により安心して高度な治療を受けていただけます。
CT撮影ではレントゲンでは把握しにくい根管の状態も、正確に診断できます。
また様々な角度から画像を見ることができるため、より詳細な判断が可能となります。
マイクロスコープは、狭く暗い根管内部の細菌を取り除くために欠かせません。
しかしマイクロスコープを導入している歯医者はまだ少なく、歯科医の勘と経験で根管治療が行われていることが現状です。
根の形状によっては細菌の取り残しの可能性があり、再根管治療が必要となるケースも見受けられます。
【↑当院のマイクロスコープ】
マイクロスコープを使用した根管治療では、肉眼では見ることのできない根管内部を目で確認することができるため正確な治療を行うことが可能です。
また肉眼で確認できないレベルの歯のヒビや歯周組織の病変なども確認できることから、
大きなトラブルが起きる前に治療を行うことで悪化を免れることができるかもしれません。
正確で安全な治療、肉眼では発見できない病変の発見、効率の良い治療を行うためにもマイクロスコープを使った治療は根管治療に不可欠と言えるでしょう。
【↑当院のラバーダム防湿】
そしてラバーダムを使うことも、根管治療において大変重要なことです。
ラバーダムとはゴム製の防水シートのようなもので、患者様のお口を覆うことができます。
ラバーダムを使用することで、治療する部位だけを露出させて根管治療を行います。
根管治療は無菌的状態で治療が行われなければいけません。
根管内部に唾液や細菌が侵入することで新たな細菌感染を引き起こすことがあるからです。
ところがラバーダムを使わず根管治療を行った場合、いくら歯科医が根管内の水分を除去しても細菌を含んだ唾液が入り込んでしまいます。
これでは何のために根管治療を行っているのかわからなくなり、根管治療の意味がなくなってしまいます。
根管治療を無菌的状態で行うためにも、ラバーダムを使うことは絶対的条件です。
保険診療でラバーダムを使用すると、経営的に赤字となることは確実です。そのため保険診療でラバーダムを使用している歯医者はほとんどありません。
同じ根管治療でも、保険治療と自由診療では成功率が大きく異なります。そしてこの成功率というのは再治療の有無に関わり、それは結果的に歯の寿命にも関係してきます。
つまりマイクロスコープやラバーダムを使った質の高い自由診療で行われる根管治療は歯の保存率が高く、歯を長持ちさせることができると言えるでしょう。
【↑当院の設備】
また、根管治療に使う器具を徹底的に滅菌をしているということも重要な要素です。
ラバーダムを使用して唾液による感染を防いだとしても、根管治療の際に使用する器具が汚れていては元も子もありません。
当院では院内感染を防ぐため、徹底した衛生管理を行っております。
このように、根管治療をスムーズに遂行する設備に関しては、大きな自信を持っております。
■治療後に行う定期的メンテナンスの重要性
長かった根管治療が終わり、解放感に包まれる患者様もきっと多いでしょう。
やっと歯医者通いにさようならできると思う気持ちもわかります。
しかしここが大きな落とし穴なのです。
治療後に定期的にメンテナンスを受けられる患者様とそうでない患者様では、歯の予後が大きく変わります。
調子が悪くなったときだけ来院される患者様のほとんどは、再治療が必要な状態であり再根管治療を行っても予後が悪い場合は抜歯になってしまうことが多く、結果的に歯の寿命を縮めてしまいます。
せっかく時間と費用を費やして根管治療をお受けになっても、治療後のケアが疎かになると歯を失う結果になりかねません。
いかに治療後のケアをきちんと行うか。根管治療を行う意味はまさにそこにあります。
治療終了後は定期的にメンテナンスを受けていただき、歯の健康を守るように心がけることが大切です。
■ さいごに
心斎橋デンタルクリニックでは、患者様に治療後のケアもご提案いたします。
根管治療に特化した歯科医院で高度な根管治療を受けていただいたあとは積極的に歯のケアを受診していただくことで、歯を長く使っていただけるためのサポートをいたします。
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