根管治療の費用について
2018年09月30日
■ はじめに
歯の神経まで達した虫歯をはじめとした歯の神経の炎症は激しい痛みを伴うため、根管治療という根の治療が必要になります。
根管治療は保険診療と自費治療がありますが、それぞれどのくらいの治療費が必要なのでしょうか。
根管治療の値段を中心に、根管治療を得意としている歯科医院の選び方についてもお話をしたいと思います。
当院での治療費用は歯の部位にもよりますが、6万円~8万円です。
治療費用のページをご覧ください→ https://osaka-konkanchiryo.com/price-list/
■ 根管治療とは
根管治療とは、虫歯や歯の破折などが原因で根管内に細菌が入り込んで炎症を起こす病気に対する治療法です。
根管とは、歯の神経である歯髄が存在する場所で、神経の他にも血管などが通っており、刺激を感じると痛みや滲みるといった感覚を伝える働きを持っています。
そして歯髄は歯に栄養を送り届ける大切な役目を持っています。
この歯髄に虫歯菌などの細菌が侵入して炎症を起こすと、激しい痛みを伴います。
ズキズキした痛みや夜も眠れないほどのジンジンした痛み、温かいものを口にすると飛び上がりそうなほどの強い痛みを訴える方もいらっしゃいます。
この時点で初めて歯医者を訪れる方も多いことでしょう。
冷たいものや甘いものがしみる状態の頃に受診していれば、歯髄への炎症も防ぐことができたと思いますが、残念ながら歯髄まで炎症を起こしてしまうと状態はかなり悪化しており、神経を取り除いて根の中をきれいに消毒し、無菌状態にする根管治療が必要になります。
根管治療には3種類あり、神経がある歯に炎症が起きるため神経を除去する「抜髄(ばつずい)」、以前根管治療を行った歯が再び細菌感染を起こし、再度根管治療を行う「感染根管治療」、初めて行った根管治療の成果が思うように出ておらず、もういちど根管治療を行う「再根管治療」があります。
いずれも根管内部に存在する細菌をきれいに取り除いて消毒し、根の先端に最終的な薬を詰めてフタをする根管充填という処置を行う治療を行います。
根管治療はどの歯科医院でも行う治療ですが、極めて難しい治療で、歯の予後はこの根管治療にかかっていると断言してもよいでしょう。
■ 根管治療の特徴
歯科治療でも多く行われる虫歯治療のひとつである根管治療は、削って詰める治療では終わりません。
歯を深く削り根管を露出させ、細菌に汚染された根管内部の汚れを慎重に取り除きます。
ファイルという特殊な針のような器具を使って完全にきれいになるまで徹底的に細菌を取り除きます。
根管治療の特徴は、一度では終わらないことです。根の奥深くまで細菌で汚染された根管内は、何度か消毒を行って完全にきれいになるまで治療が必要です。
「ただ根の消毒のためだけにどうして何度も通院しなければいけないの?」「時間もないし、面倒」と思われるかもしれませんが、根管治療をしっかり行わないと、再び根の中で細菌が増殖して激しい痛みに襲われ、再度根管治療が必要になります。
神経を取った歯は脆い状態のため、根管治療を繰り返すたびに歯を削り、薄くなった歯は噛んだ時に割れてしまう恐れがあります。
また根管治療後も歯の状態が思わしくなく予後が悪いと判断された場合、抜歯しか選択肢がなくなってしまうこともあります。
このようなことを回避するためには根管治療を最後まできっちりと受けることです。そのためどうしても通院回数が多くなってしまうことが特徴です。
しかし言い換えれば、ご自分の歯を残すための大切な治療でもあります。
歯は失ってはじめてその大切さを知ることになります。
今では高性能の入れ歯や天然歯に近い自然な噛み心地が特徴のインプラントで噛む機能を回復させることが可能です。
しかしどんなに優れたインプラントであっても、患者様ご自身の歯で噛むことの素晴らしさには勝てません。
根管治療は歯を残すために大変重要な意味を持つ治療法なのです。
痛いから抜いてほしい、と訴える患者様も多くいらっしゃいますが、根管治療を行うことで歯を残すことができるのであれば、それに越したことはありません。
「痛い」「面倒」「お金がかかる」と思われがちな根管治療ですが、一生涯ご自身の歯を残すための大切な治療であることをご理解いただければと思います。
■ 根管治療の値段
では根管治療にはどれくらいの費用が必要になるのでしょうか。
根管治療は保険診療と自費診療があり、費用が異なります。保険診療で受けることができるため、全国の保険診療を取り扱う歯科医院で受診できます。
保険診療は安価で治療することができますが、自費治療とどのように違うかについてご説明します。
■ 保険診療の根管治療の値段
患者様の負担は2,000円から5,000円程度になります。
保険診療の値段は、保険点数を計算することで値段が決まります。初・再診料から始まり、レントゲン撮影料や投薬料など治療の工程により点数を加算し、合計の費用を計算することで算出します。
一般の健康保険の場合は3割負担で提示された金額を支払います。70歳以上の方は所得割合により1割から2割まで減免されます。
・初・再診料
・レントゲンによる画像診断料
・神経を取り除くなどの処置料
・痛み止め処方など投薬料
・消毒
・被せ物などを被せるための歯冠修復・欠損補綴料
保険治療の根管治療の費用は、実は比較的安いと言えます。
保険制度により安価で根管治療を行えることで抜歯を免れるケースが多いのは、保険治療のメリットでもあります。
しかし保険診療の根管治療には深刻な問題を抱えていることも事実です。
根管治療は丁寧に時間をかけて細菌を慎重に取り除く作業が必要です。
手間をかけた割に診療報酬が少ない日本の保険制度では、歯科医院側としては短時間に多くの治療を行うことでカバーするしかありません。
そのため十分な消毒が行われず、細菌を残したまま最終的な被せ物をセットして治療を終えてしまいかねません。
細菌が少しでも残っていると根管内は再び細菌に攻撃され、違和感や痛みとなって現れてしまいます。
保険診療で行われる根管治療には限界があり、歯科医師の勘と経験を持ってしても、目で確認できない分、細菌の取り残しの可能性は否めないのです。
■ 自費診療の根管治療の費用
当院での治療費用の詳細は https://osaka-konkanchiryo.com/price-list/ をご覧ください。
自費診療は100%自己負担となり、治療費が高くなってしまうことから懸念される方も多いでしょう。
保険診療とどのように違うかというと、器材や消耗品です。
保険診療では治療に使うことができる器材や薬剤が限られており、患者様ひとりにかける治療時間も短くなります。
自費診療では保険の制限を一切受けず、あらゆる器材や歯科素材を使うことができるため、精度の高い治療を受けることが可能になります。
その代表と言えるのが、CT、マイクロスコープ、ラバーダムです。
この3つは保険診療ではほとんど取り入れられません。
自費診療だからこそ器材や薬剤の制限を受けることなく、最適な治療を受けることが可能なのです。
CTはレントゲン写真ではわからない根管の様子を立体的に確認できます。
マイクロスコープは拡大顕微鏡のことで、狭くて暗い根管内の治療には欠かすことができません。
細菌の取り残しがないかどうか目で確認しながら治療を進めることで、完全に細菌を除去することが可能となります。
そして細菌や唾液の侵入を防ぐためのラバーダムも、根管治療には欠かすことができません。
これらの器材を使った根管治療は当然費用が高くなり、一本の根管治療に10万円程度かかるところもあると言われています。
じゃあ保険診療でも十分では?と思われるのも無理はありません。
しかしマイクロスコープやラバーダムを使用して行われる丁寧な根管治療を受けることで、歯の予後は保険診療と自費診療では大きな差が出てしまいます。
値段は高くても精密で質の高い治療を受ける価値は十分にあるのではないでしょうか。
自費の根管治療では、医院が費用を決定することができます。
ボランティアではありませんので、多少の費用がかさむことは事実です。
しかし、多数の設備を用いて丁寧な治療を行えることもまた事実です。
■ 根管治療でオススメの歯科医院の選び方のポイント
根管治療はどの歯医者でも行っているため、どこでもいいと思われるかもしれません。
しかし歯を残すためには根管治療を得意としており、根管治療の専門医が精度の高い治療を提供する歯科医院を選ぶことが大切です。また説明が丁寧でわかりやすいことも大切です。
・根管治療に力を入れており、患者様の歯を残す治療方針の歯科医院
・カウンセリングをしっかりと行い、丁寧な説明を行う歯科医院
・CT、マイクロスコープ、ラバーダムを使っている歯科医院
・滅菌の設備が整っている歯科医院
・値段が明確で、カウンセリングで費用についてきちんと説明を行う歯科医院
保険診療と自費診療の違いをおわかりいただけたでしょうか。
歯を残すための根管治療で大切なことは、設備や器材が揃っていること、そして根管治療の専門医が治療を行うことです。
上に挙げたポイントを参考に、まずは良い歯科医院を選ぶようにして下さい。
大阪・心斎橋の心斎橋デンタルクリニックでは、CT、マイクロスコープ、ラバーダムを用いた根管治療を提供します。
是非一度ご来院ください。
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