根尖性歯周炎|噛むと痛い、歯茎の腫れなどの症状と治療法
普段から噛むと痛かったり、歯の根の先の歯茎が腫れたり、膿が出てなかなか治らない事があります。
これらは根尖性歯周炎の症状です。根尖性歯周炎は歯の根の先から出る細菌や毒素で、根の周りの組織に炎症が起こることを言います。根尖性歯周炎を放置すると副鼻腔炎や目の下の腫れなどを起こすこともあります。
根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)とは
歯の根の中は硬い歯の組織に囲まれていており、歯の神経が死んでしまうと血液が流れなくなり、白血球などの免疫機能が働かなくなってしまい、細菌を歯の根の外へ出す力がなくなります。その為、歯の神経が入っていた空洞の歯髄腔が細菌に感染し、歯の中と唯一つながっている歯の根の先の根尖から細菌や毒素を出します。
この毒素や細菌が歯の周りの歯周組織に炎症を起こし、根尖性歯周炎となるのです。
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- 1噛むと痛い
- 噛むと痛みを感じるのは歯の根の根尖から出た毒素が、歯の周りの組織の歯根膜に炎症を起こす歯根膜炎(しこんまくえん)の為に起こります。歯根膜炎は根尖性歯周炎の一種です。
歯根膜の組織には、噛んだ時に硬いものや軟らかいものなどを判断するセンサーがあり、歯根膜に炎症が起こると噛むと痛いという症状が出ます。
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- 2歯の根元にレントゲンで黒い影ができる
- 歯のレントゲンを撮ると、歯の根の先に黒い影が見えることがあります。これは根尖性歯周炎の一種で根尖病巣(こんせんびょうそう)と言います。根尖から出た毒素は歯根膜を越え、顎の骨にまで到達します。歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)が毒素に侵されないように、自らの骨を溶かすことで黒く見えるのです。
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- 3歯茎が腫れる
- 根尖病巣が化膿すると、歯茎が腫れます。根尖病巣に膿がたまると、歯茎が盛り上がり赤や黄色く腫れ、膿が大量に溜まると痛みが強くなります。痛みが強くなる場合は麻酔をし、膿を出す処置が必要になります。
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- 3歯茎のおでき(フィステル)が出来る
- 虫歯や外傷等でで神経が死んでしまったり、根の治療が不適切な場合、根の先に膿が溜まります。その膿の出口が歯茎に出来たおできの正体、フィステルです。フィステルは歯の根の先に膿が溜まるとでき、破れて膿を出します。膿は臭く、口臭の原因にもなります。
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- 3顔まで腫れる
- 根尖性歯周炎によって溜まった歯の根の先の膿は目の下の空洞に入り込み、目の下が腫れることがあります。
また、副鼻腔に入ると副鼻腔炎や頭痛を起こすこともあります。
根尖性歯周炎の原因
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- 1虫歯が大きくなり神経が死んでしまう
- 虫歯を放置すると、虫歯菌が歯の神経まで到達します。そのままにしておくと、神経は死に痛みは無くなりますが、細菌は歯の中で増え、歯の根の先から毒素を出し、根尖性歯周炎になります。
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- 2深い虫歯の治療後
- 虫歯治療では、出来るだけ歯の神経を残すように治療をしますが、歯の神経が再生する力を失い、自然神経が死んでしまうことがあります。神経が死んでしまうと根尖性歯周炎になります。
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- 3外傷により神経の切断
- 歯を強くぶつけると、歯の根尖部分に強い衝撃が加わり、神経が切断され歯の神経が死んでしまうことがあります。歯の神経が死んでしまうと歯が変色し、根尖性歯周炎になります。
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- 4複雑な根管治療
- 歯の神経に炎症が起こると神経を抜いて、歯の根の中を消毒する根管治療が必要になります。歯の根の中は複雑で、根管治療の成功率は80%程度と言われています。複雑な根管になると成功率は下がり、歯の根の中に細菌が残され根尖性歯周炎になります。
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- 5根管治療後
- 根管治療を行うと、顎の骨の中に溜まっていた膿が外に出ようとして、腫れや痛みが出ることがあります。根尖性歯周炎によって溜まっていた顎の中の膿は、細菌の力が勝っているので、顎の骨を溶かし続けてしまいます。
根管治療を行うことで、歯の中の細菌数が減り、体の抵抗力が細菌より強くなり、細菌を退治しようと働くことで腫れや痛みが出ることがあります。
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- 6歯の破折
- 歯が割れてしまうと亀裂から歯の神経に細菌が入り、神経が死んで根尖性歯周炎になります。歯の亀裂が小さい場合は、根管治療と歯の接着をして歯を残せる可能性があります。
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- 1感染している歯をすべて取り再感染を防ぎます
- 細菌が感染している歯の部分を削り、健康な部分だけを残すようにします。根尖性歯周炎の治療は、いかに細菌を再感染させないようにするのが重要です。その為、感染しているすべての部分を取り除きます。
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- 2ラバーダムを使って唾液の細菌が根の中に入らないようにする
- 歯の根の中をきれいにする際に、唾液が根の中に入ってしまうと細菌で悪化してしまいます。
その為、ラバーダムというゴムのシートを治療している歯に付け、唾液による感染を防ぎます。
ラバーダムについて詳しくはこちらから >
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- 3ファイル(細い針金)で根の中の細菌をきれいにする
- 根の中の感染している部分をファイルという針金できれいに削り落とします。歯の根は曲がっていたり、別れていたり、繋がっていたり複雑な形になっているので、その根の中を完璧に治療をすることは難しいことです。
歯の根の中の治療を、根管治療と言います。
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- 4きれいになった歯の根の中に薬を詰める
- 歯の根の中をきれいにして、再度感染しないよう、圧力をかけながら薬を詰めていきます。
MTAセメントという歯の根の先を再生させる薬も出来ています。
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- 5劣化の少ない被せ物をする
- 根尖性歯周炎で根の治療をした歯は脆く、割れやすい状態です。再度治療を行えば、抜歯をする可能性が高くなります。その為、再治療を繰り返さない為に、セラミックなどの劣化の少ない材料で被せ物をすることをお勧めいたします。
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- 6歯の根の治療で治らなかったら根の先を切断します
- 根尖性歯周炎が長期化してしまった場合、歯の根の治療では治らない場合があります。その場合は歯茎の方から切開し、根の先に溜まった膿を出す歯根端切除術を行います。
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- 7抜歯が必要になることもあります
- すべての歯を残すことが出来ない場合もあります。虫歯の進行がひどい場合には、抜歯をしないと根尖性歯周炎の症状が改善出来ない場合もあります。
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